日本橋の由来-江戸時代から現在の日本橋

日本橋の由来-江戸時代から現在の日本橋

日本橋の名前の由来

中央区を流れる日本橋川に架かる日本橋。日本の道路元標があり、交通の中心として知られています。

日本橋の名前の由来は諸説あります。

  • 江戸時代に作られた時から各街道の中心であり、各国への行程がここから始まることから
  • 日本国内中の人足が集まってかけられたことから
  • 朝日が東海から昇るのを眺められたことから
  • 2本の木を渡した粗末な橋「二本橋」が起こりであることから

はっきりした由来は分かりませんが、日本橋は架橋された江戸時代から今日に至るまで日本の中心としてあり続け、どこからともなく日本橋、という名前で呼ばれるようになっていったと考えれます。

江戸時代の日本橋の架橋

公式な記録が残っておらず、はっきりとしたことは分かりませんが、日本橋が最初に架けられたのは慶長8年(1603年)だとする説が一般的です。翌年の慶長9年に幕府が、日本橋を起点にして各街道に一里塚を築かせることに関して、「慶長見聞集」に、

当君の御時代に、一里塚をつくべきよし仰出されたり。されば日本橋は慶長八癸卯(みずのとう)年江戸町わりの時節新敷出来たる橋なり

とあり、慶長8年に作られたとされる説の根拠となっています。

家康が江戸にきた当時、まだ、この地は入江が入り込む水辺の寒村でした(日比谷の地名の由来-海の痕跡が残る日比谷公園)。この入江を埋め立て、当時入江に流れ込んでいた河川を東遷させ隅田川へと合流させます。これが現在の日本橋川の流路の原型となっています。この流れを渡るように架けられたのが日本橋でした。日本橋には魚市場も開かれ(江戸時代の卸売市場-日本橋魚河岸)賑わいを見せます。

そして前述の通り、慶長9年(1604年)、東海道、中仙道、日光街道、奥州街道、甲州街道の5街道の元標となり、日本の中心として今日に続いていきます。

江戸時代から現在までの日本橋の変遷

現在日本橋にかかる橋は明治44年(1911年)に架橋された20代目(仮橋含む)の橋となります。火災が多かった江戸の町ですので、20回の橋の架け替えの中、実に11回が火災による全焼、半焼が原因となったものです。

架橋年 架橋理由など
 慶長8年(1603) 日本橋初めての架橋
元和4年(1618) 再架橋(長さ37間4尺、幅4間2尺5寸)
万治元年(1658) 前年の明暦の大火で焼失、改架
天和3年(1683) 前年のお七火事で焼失、仮橋
元禄12年(1699) 前年の本石町からの火災で焼失、改架
正徳2年(1712) 前年の須田町からの火災で焼失、改架
享保8年(1723) 正徳6年の湯島からの火災で半焼、改架
享保12年(1727) 改架のため仮橋
元文2年(1737) 改架のため仮橋
 延享5年(1748) 修復のため仮橋
宝暦13年(1763) 宝暦10年の旅籠町からの火災で焼失、改架
明和9年(1772) 同年の行人坂の大火で焼失、改架
安永3年(1774) 改架
寛政8年(1796) 改架
文化3年(1806) 同年の牛町大火で焼失、改架
文政12年(1829) 同年の佐久間町からの火災で焼失、改架
弘化3年(1846) 同年の小石川馬場からの火災で焼失、改架
安政6年(1859) 前年の神田相生町からの火災で半焼、改架
明治6年(1873) 西洋式木橋に改架
明治44年(1911) 石造橋に改架、現在の日本橋

幾多もの改架をへて、明治44年の架橋ののち、現在に至ります。

東京の発展を見守りつづける日本橋

現在の日本橋は上述の通り、明治44年(1911年)に改架されたものです。その前代の日本橋は西洋式の木橋で、東京の発展とともに、橋の上を馬車や路面電車が通るようになってきました。こうした交通の変化から、丈夫な石造の橋へと架け替えられることとなりました。

新しい橋の長さは49m、幅27m、車道が18mあり、交通量の増加に対応したものでした。明治41年から始まった工事は竣工までに2年3か月、10万人以上の手によって作られました。工費は現在のお金で約70億円といわれています。

日本橋の親柱を見ると、唐獅子が設置されています。この唐獅子が抱えているのは東京市のマークです。この唐獅子は東京を守ると同時に威厳を示しています。また、中央の麒麟の像は「麒麟現れれば聖人生まる」という中国の故事にならったものです。

日本橋唐獅子

日本橋の橋柱の4か所には「日本橋」「にほんはし」と書かれたレリーフがはめ込まれています。これは最後の将軍徳川慶喜が揮毫したものです。橋灯に目をやると、松や榎がデザインされ、東海道の一里塚をイメージしていることを思わせます。

日本橋灯柱

徳川15代が築き上げた江戸の町を象徴するにふさわしい日本橋は今日になってもなお東京のシンボルとして、街を守り続けています。

参考文献

  • 鷹見安二郎著/日本橋
  • 日本橋トポグラフィ事典
  • 東京都著作/東京百年史1巻
  • 鈴木理生著/江戸の橋
  • 日本橋1911-2011
  • 竹内誠編/東京の地名由来辞典
  • 伊東孝著/東京の橋