江戸城の門から水準点へ-赤坂見附石垣

江戸城の門から水準点へ-赤坂見附石垣

国道246号線、衆議院議長公邸そばに赤坂見附の交差点があります。見附とは敵の侵入を発見する施設を備えた門のことです。江戸城には外堀にここ赤坂見附や、市ヶ谷見附、四谷見附など、枡形の石垣で囲まれた門が多く築かれました。
ここ赤坂見附の石垣は、1636年、筑前藩主黒田忠之により築かれます。その後、1639年、門が完成します。赤坂見附交差点から三宅坂方面に少し上ったところに、当時の枡形に組まれた石垣の一部が残されています。

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石垣を注意深く見ると、「不」の字に似た刻印がされていることに気付きます。こうした城郭などの石垣には、石垣の構築、切り出しを行った大名を表す刻印を見ることができますが、この不の字は異なります。
この不の字の刻印は几号(きごう)水準点と呼ばれるものです。明治初期、内務省により高低測量の為設けられました。明治9年に刊行の法令全書にも、水準点を示す標識としてこの不の字に似た記号を利用することが書かれています。現在はここ赤坂見附を含む、各地の几号水準点は、水準点としての役目を終え、石垣などにひっそりと残されています。

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見附の石垣は時代とともに使われ方を変え、いまに残ります。